「叡智の断片」を借りれるように
「ミッテランには100人の愛人がいる。その中の一人がエイズなのだが、それがどの女か彼は知らない。ブッシュには100人のボディガードが付いている。その一人は実はテロリストだが、それが誰か彼にはわからない。そして私には100人の経済顧問が付いていて、その一人は優秀なはずだが、それが誰だかが私にはわからないんだ」
※ミッテラン…フランスの首相
ゴルバチョフの発言から本書は始まる。
著者は、偉人の言葉を引用することを「叡智の断片を借りる」と表現している。
また、日本では偉人の言葉を引用することが少ない。自分の意見を飾る際に、引用は必要になってくるが、日本では意見を言う機会がそもそもないからである、と主張をする。
本書では、そんな「叡智の断片」を交えて、様々なテーマについて著者が語っていく。ユーモラスな叡智の断片は自らの人生の見方を少し豊かにしてくれそうである。
「ぼくはきみの意見に反対だ。しかし、きみがそう言う権利のためには命を懸ける」ーヴォルテール
結婚の真実、という章が面白かった。
「本当の幸福がどんなものか、ぼくは結婚するまで知らなかった。知った時はもう手遅れだった。」ーマックス・カウフマン
「私たちの結婚生活が長く続いている理由をよく人に聞かれるんですよ。そうむずかしいことじゃない。週に二度はレストランで食事をするんです。ロマンチックな蝋燭の明かりで、心地よい音楽とダンスを楽しみ、おいしいものを食べる。妻が行くのは火曜日で、私は金曜日です。」ーヘニー・ヤングマン